氷のホテル

伊藤克昭

2010年1月15日

 

アイスビレッジの氷のホテルの宿泊体験が始まった。

初っ端の15日と16日に予約は無く、

17日、今シーズン最初の宿泊体験があった。

 

氷のホテルのチェックイン開始時間は19時。

チェックアウトは午前8時。

(8時前にアウトしても大丈夫だし、途中で体験終了しても大丈夫)

途中で体験終了した時はちゃんと泊まっているホテル(氷じゃない)までお送りする。

実際に途中でヤメル人は殆ど居ない。年に1組か2組くらい。

 

一泊の宿泊体験代は一人20,000円。

氷のレストランの食事付は一人28,000円です。

 

このほかに、

実際に泊まるホテル(ザ・タワー。ヴィラスポルト。ガレリアスウィート)

の宿泊代が要る。

氷のホテルだけの予約は受付けない。

 

氷のレストランの食事付のメニューは、

   前菜

        チーズフォンデュ

                     タジン鍋

                 デザート

          ボトルワイン

          コーヒー

 

氷のホテルの客室は1ドーム1ルーム。

                氷のベッド。

                氷の椅子。

               氷のテーブル。

 

テレビは無い。

無論、暖房も無い。(デキナイ)

しかし、最近の薄型テレビは熱を持たないから置くことが出来るかも知れないが、

アイスビレッジはそう言う無粋なものは置かない。

トイレは離れにある。夜通し使える。(トイレは本物)

4年前、氷のホテルの体験が始まる前の年、見学用の氷のホテルというのを造った。

ベッド。バスタブ。電話機。冷蔵庫。スリッパ。を氷で作った。

伊藤は氷のスリッパを作る係になってチェーンソーやノミを使って作った。

氷の電話機も受話器やボタンも氷で作った。

完成して公開して1週間くらいで壊された。

氷のスリッパなんてホントに履けるワケ無いだろ!

氷の電話機で電話できるワケ無いだろ!

と、みんなでガッカリしながらツッコミを入れた。

 

翌年から宿泊体験をするようになった。

                  どーやって氷の部屋の中で寝るのか?

寝袋に入って寝る。

マイナス30度以下の寒冷地対応の寝袋(シュラフ)だから意外と温かい。寝袋に入るときは厚着をしてはいけない。寝袋の中で汗を掻いてしまいかえって体温が下がる。半袖でも良いくらい。顔を出して寝ても寒くないと体験した方はみんな言っていた。

「おはようございます」

「おはようございます」

「如何でしたか?」

「意外と平気でした」「ゼンゼン寒くなかった」「快適でした」「楽しかった」

 

ドーム内(客室内)は結構静かである。

雪があるから音を吸い込んでしまう。氷も厚いから音を通さない。

テレビも暖房も無い静かな部屋では2人きりで会話を楽しんでもらいたい。

氷の客室内では飲食と喫煙はご遠慮いただいている。

食べ物の匂いが残ってしまったり飲み物を溢してしまうとそのまま凍ってしまうから。

氷の部屋の中の温度はだいたいマイナス3度から7度くらい。外がマイナス20度以下になってもその範囲。マイナス10度以下にはならない。

 

1月17日、

今シーズン最初の氷のホテル宿泊体験のお客様が来た。

野上正充様

   未央様

「こんばんは。お待ちしていました」

「こんばんは」

「チェックインの手続きをさせていただきます。こちらへどうぞ」

 

氷のホテルのロビードームに案内する。

実際のホテルのチェックインと同じチェックインの真似をする。

「こちらにお名前をお願いします」

(ボールペンは本物)

「本日からご一泊2名様のご利用で間違いないですか」

「はい」

「ご案内させていただく伊藤です。では客室にご案内いたしますこちらへどうぞ」

ロビーから外に出て通路を行く、橋を渡り客室へ。

「こちらの部屋をご用意いたしました。どうぞ」

野上様が部屋に入る。

部屋に入ると右に氷の暖炉がある、左にベッドスペースが一段高くあり鹿革が敷いてある。その上に寝袋が頭を向こう側にして2つ並んでいて、寝袋の間にクッションとモコモコとしたつなぎになってる部屋着とバスローブが置いてある。ベッドスペースの上がり口にはスリッパを置いてある。ベッドスペースの向かいには氷の椅子とテーブルがある。

「こちらで寝ていただきます。寝袋はマイナス30度の場所で使えるヤツなのであまり厚着をしないで下さい。汗をかいてかえって体温が下がってしまいす」

「へぇ」

「次にお風呂をご案内します」

客室はドアが2つあり手前が出入り口、奥のドアを開けて外に出る、左に進んで行くと突き当たりの右に入り口があり2段ほど階段を上がる。氷の壁で囲まれたバスルーム?がある。バスタブは本物でその周りを雪で埋めてある。だからバスタブを跨いで入るのではなくプールに入るみたいに湯船とフロアが同じ高さ。

天井は無い、露天風呂である。一部壁がなく外が見える。脱衣場にはスノコが置いてありそこにバスマットを敷いて脱衣する。

「こちらがお風呂です。お部屋でバスローブに着替えてこちらまでいらしてください。かなり寒いので小走りで」

「あ、はい」

「お風呂は22時からご利用いただけます」

「あと、トイレはどこですか」

「トイレはこちらです」

トイレは橋の袂にある。

「明日の朝は何時に伺って良いでしょうか」

「8時でお願いします」

「はい。では8時に伺います。ではこれで失礼いたします。どうぞごゆっくり」

この晩は風が強く少し吹雪いていた。気温はマイナス10度くらい。

案内はこれで終わり。お客さんが部屋に入ってからは朝まで見回りはしない。連絡は携帯電話で行う、非常のときや途中で体験を止めるときに使う。客室内の電気は点けたまま。

 

大丈夫だと解っていても、「寒くないかなぁ」と思う。

23時を過ぎると

タワーの窓の明かりも少なくなっていた。

人気も無くなり。エリア内バスも終わっている。

風が音を立てて吹いている。雪煙が上がり渦を巻いている。

 

 

朝が来た。

東の空が明るくなってきた。風は治まり雪も止んだけど空は雲に覆われていた。

コーヒーを淹れ。熱いおしぼりを作る。

8時、野上様の部屋に伺う。

「おはようございます」

「おはようございます」

「失礼します」

「どうぞ」

「おはようございます。コーヒーをお持ちしました」

「ありがとうございます」

「それと洗面所が無いのでこれで顔を拭いてください」

 

「いかがでしたか」

「平気でした。寒く無かったです」

「ありがとうございます」

ふとテーブルを見たら、バナナと釘の刺さった角材が置いてあった。

おぉ実験したんだと思った。

 

「お忘れ物ないですか」

「はい」

「このたびはありがとうございました」

「ありがとうございました」

 

ホテル『ヴィラスポルト』までお送りする。

「あの釘は刺さりましたか」

「少し入ったくらいです」

「今あのコマーシャルをやってないから、あれを知ってる人も少ないですよね」

「え!そうなんですか」

前に上司に聞いたが過去にアイスビレッジでも試したことがあるそうでバナナを凍らせて釘が本当に打てるらしい。

「今日はどう過ごされるんですか」

「きょうはスノーシューツアーに行きます」

「楽しんできてください」

未央さんはホテルのモコモコの部屋着とインフォメーションとレストランのスタッフが着ていたポンチョを気に入って、

「あれはどっかで買えないんですか」

と言った。

ポンチョと部屋着は伊藤がタワーフロントになっていた去年に作ったものなので解らなかった。その日去年アイスビレッジだった人に聞いたら、

「あれは特注で作ったやつで今はもう作ってないから残念だけど・・・」

と言った。

 

未央様、

返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

モコモコ部屋着とポンチョは売っていないという事でした。

気に入っていただいたのに申し訳ありません。

 

スポルトに着いた。

「ではここで失礼します。今回は有り難うございました」

「こちらこそ有り難うございました」

2人はスポルトに入っていった。入った後振り返ってまた手を振ってくださった。

嬉しかった。有り難かった。

また今年もアイスビレッジになって楽しんでいただけたお客さんに会った。

アイスビレッジに帰る道、嬉しさでにやけて居た(変なヤツ)

無事に終わった。片付けて帰って寝よう。

アイスビレッジに戻って片付けを始めようとしたとき、また雪が降ってきた。

 

コメント(2)

1/19に氷のホテルに宿泊させていただいた、
3組目(?)チェックインした「ぐっさん夫婦」です!

初めてアイスビレッジでお話したのは、伊藤さんだったのかな?と半信半疑なんですけど。。。

本当にお世話になりました。
アイスビレッジの皆様には、たくさんの祝福のお言葉を頂き
本当に・本当にうれしかったです。ありがとうございます☆

実は、私も上記のお客様と同じで…
あの「モコモコウェアとスタッフの衣装」がとっても気に入りました。
特にモコモコウェア。欲しかったです!!!
買えるのであれば、買いたかった~と思ったけど
やっぱり非売品でしたか。残念です。。。

氷のホテル宿泊翌日が、帰る日だったので(北斗星で帰りました)
皆様にご挨拶も出来ずに心残りでした。。。
アイスビレッジをもっと満喫したかったのと、皆さんと一緒に写真が撮りたかったです。

四季折々なトマムに出会いたいのと、
モコモコウェアが着たいので、また氷のホテル宿泊をしに行きます♪

☆本当にお世話になり、ありがとうございました☆
これからも楽しく、トマムブログ拝見させてもらいます。

タカ望さん>

コメントありがとうございます。
下見にいらしたとき、「客室は当日まで内緒です」と言ったのが伊藤です。
あと当日、ロビーまでご案内させていただきました。
お泊りいただいたとき氷のホテルの担当ではなかったので色々お話できなくて残念でした。

タカ望さんもモコモコウェアを気に入っていただいたんですね。
ありがとうございます。

アイスビレッジを気に入っていただき本当にありがとうございます。
タカ望さんに喜んでいただきスタッフ一同お礼を申し上げます。
お帰りは北斗星でしたか。
また来年、その前に夏もタカ望さんのまたのお越しをお待ちしています。

ありがとうございます。
いつまでもお幸せに、お元気で。。。

伊藤克昭

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