スタッフブログ

9月20日の雲海テラス

今朝の雲海テラスは、秋の深まるトマムを感じることができました。

今朝は4:30頃まで明るくならず、上空には満点の星空が輝いていました。東の空には月が浮かんでおり、寒くなってきた雲海テラスが秋の深まりを感じさせられました。今朝は山麓の気温が3℃山頂の気温が7℃と、放射冷却の典型的な気温となっていました。放射冷却が起きると山頂と山麓の気温が逆転します。それ故に放射霧が発生しやすくなるのですが、今朝はトマムエリアの湿度が低く、雲になりきれなかった様です。

その反面、非常に天候が良く空気も綺麗で、朝の清々しい空気の中、遠い場所では阿寒岳を見ることもできました。寒くなると空気の不純物が水分と共に地表面に落ちていくので、標高1088mの雲海テラスではかなり遠くの景色を確認することができます。雲海が出ているとそこまで遠くまでは見ることができないので、これもまた特殊な体験と言えますね。

今日は「放射霧」についてご説明しようかと思います。この「放射霧」はトマムの地で生まれた霧なので、その霧を標高の高い場所から見下ろすと雲海となり、我々スタッフは「トマム産雲海」と呼んでいます。

ここトマムは山々に囲まれた盆地地形であり、「放射冷却」という自然現象の影響を受けやすい地域です。上空に雲が少ない晴れの日中に陽が高くまで昇ると、当然地表面付近は気温が高くなります。やがて時間が経過し、陽が沈むと上空から気温が下がってきます。気温が低い空気と高い空気では、気温が低い空気の方が重いので、上空から冷たい空気が地表面付近まで落ちてきます。盆地の底では昼に暖められた空気がまだ残っているので、そのときに冷たい空気と暖かい空気がぶつかり、「放射霧」が発生します。

共に、ここトマムは夜半から早朝にかけて湿度が高くなる地域で、一級河川である「鵡川」の源流部でもあります。大きな川の源流部が盆地の地形になっているということは、四方八方から小さな沢がトマムエリアに集まって、河川を形成しているということで、盆地の底は湿度が高くなります。トマムとはアイヌ語で「湿地」という意味で、昔から雲もできやすい土地なんですね。

晴れが続き風がない時には「トマム産雲海」は出やすくなります。本日は昨日からの風が、トマムエリアの湿度を飛ばしてしまったようで、放射霧の発生ができなくなってしまった模様です。

ぜひこのブログをお読みになっているお客様には、晴れの日を狙って雲海テラスに遊びにきていただきたく存じます。というのも、基本的に晴れの日は雲海を見やすくなり、この時期の雲海テラスは雲海が出ていなくても、日の出が綺麗に見えることが多く過ごしやすい気候であり、散策するには良いシーズンとなるからです。

雲海テラス営業終了まであと1ヶ月を切りました。ぜひ秋色に染まる雲海テラスへ遊びにきてください。個人的には今が一番良いシーズンと思っています。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

また明日以降の雲海の発生に期待して、ここに筆を置きます。

雲海テラススタッフ 藤田

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□□■□■□■□■□■□

日々表情を変えるトマム山からの景色やCloud9の散策など、朝の特別な時間をぜひ雲海テラスでお過ごしください。

毎日15:00までに、翌朝の「雲海予報」を発表いたします。

一覧に戻る

最新の記事

月別アーカイブ