8月30日の雲海テラス 風のシアー
上層雲の「天井」と下層雲海の「床」に上下から挟まれ、まるで巨大な“雲の部屋”の中に迷い込んだかのような、幻想的で重厚な朝を迎えました。今朝のトマムは、高い標高を越えて東風で流れ込む太平洋産の雲と、標高2,000m付近の冷たい北西風が正面衝突する非常に複雑な気象条件。山体周辺で絶えず雲が巻き上げられ、テラス周辺は濃い「雲中」に包まれるヤキモキする時間が長く続きました。
今朝の何より面白いポイントは、向きも強さも異なる「二つの風の押し合いっこ」によって景色が開けたことです。気象用語で「風のシアー」と呼ばれるこの現象は、ぶつかり合う風と風の境界線で気流がゆらゆらと波打つ動きを指します。「雲を運ぶ東風」と「冷たい北西風」の力比べが一瞬だけゆるみ、エアポケットのような風の隙間ができたのが5:50頃。わずか15分間でしたが、雲がすっと押し除けられ、力強い山肌と美しい雲海の層が鮮やかに姿を現しました。
その後は山頂の気温が8℃まで急降下し、北西風の巻き上げが再び強まったことで、静かな「雲中」へと戻っていきました。しかし、自然のドラマはこれだけでは終わりませんでした。営業終了の直前、再び風のバランスが変化し、二度目の劇的な「雲抜け」が訪れたのです。上層の雲はそのままに、足元を覆っていた雲がすーっと引き、緑の山肌から遠くのタワー群までくっきりと見渡せる壮大な景色が広がりました。
目に見えない風の境目が動くことでダイナミックに景色が変わる自然の神秘を、最後の最後まで肌で深く実感する一朝となりました。山頂はすっかり秋の冷え込みとなっておりますので、お越しの際は防寒対策を万全になさってください。
明日以降の雲海発生に期待して、ここで擱筆いたします。
雲海テラススタッフ 藤田




日々表情を変えるトマム山からの景色やCloud9の散策など、朝の特別な時間をぜひ雲海テラスでお過ごしください。

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